さくら
4月といえば
桜を連想してしまうが、大阪では実際は3月下旬には咲き始め、開花から1週間前後が見ごろとなる。 個人的には八部咲きの頃を見計らって撮影に出かけようと心掛けているが、タイミングが少しでもずれると散り始めてしまうので 気になりながら今年は4月7日に出かけてみた阪急電車の桜の名所は嵐山線がお勧めの場所である、上桂、松尾、嵐山の各駅にはホーム 両側に見事な桜の木があり
咲き誇っていて電車を待つ間もゆっくりとお花見が楽しめる、満開は少し過ぎて花吹雪がホームに散っているのも また絵になる写真となった。 京都線の古参格である
2300型が4両編成で活躍する嵐山線は 京都線で使われていた車両達の最後の働き場所でもあり 名車2800系 710系から デロまで
最後の活躍場所はこの嵐山線であり 上桂、松尾、嵐山の各駅のホームに咲く桜の花もこれら車両達を見送ったであろう。 嵐山線は単線で上桂
又は松尾のどちらかで列車交換があって
ビデオ撮影にも向いている。 松尾駅で電車を待つ間に桜の木をじっくりと観察していると その中の1本に相当な樹齢の木で根元半分は朽ちており
大きな台風がくれば 折れてしまうのではないかと思われるほどの
痛々しい老木ながら、花いっぱい咲かせて 懸命に春を表現している姿を見て木々の生命力の 強さを改めて感じた。 合理性や採算性で何もかもが切り捨てられる昨今だが
嵐山線の3駅に残る桜の木は 新京阪時代の先人が残した 癒しの財産であり、後世にバトンタッチしてゆくべき
阪急の新名所ではないだろうか。 車と観光客でごったがえす渡月橋を渡り 京福電車(通称嵐電らんでん)嵐山駅に向い次の目的地である
京福北野線の鳴滝―高雄口問 にある 名所桜のトンネルへと移動する、 沿線は未だ昔らしさを少しは残しており 単行のワンマンカーも市内電車風で
何かほっとするものがある 鳴滝―高雄口の桜のトンネルは地元でしか知られていない隠れた名所であり
シーズンには路線端でお花見なども行われていたが、近年になって 嵐電も名所としてPRするようになり
桜のトンネル区間の夜間ライトアップや車内灯を減光してスロー運転するというスペシャルサービスを企画して 宣伝するものだから 今では名所になり
カメラを持った人が多く集まるようになった。 期間中はロープを張って
軌道内には入れないようになったので 撮影場所は限定されているがお勧めの場所である。 少しポイントをはずすだけで
名所嵐山周辺の観光地の雑踏に悩まされることなくゆっくりと電車とお花見できる
私のお気に入りの場所であります。
4月 T・Yamamoto |